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建築家の 桑野信介(阿部寛)は、自宅マンションで自ら焼いたステーキに舌づつみを打っていると、彼の携帯電話が鳴った。 それは、信介の事務所の助手・英治(塚本高史)からで、出席予定のパーティーは今夜で、忘れているなら急いで来て欲しいという催促の連絡だった。仕方なく、信介はそのパーティに足を運んだものの、パーティの参加女性たちにお決まりのウンチクを語りまくり、逃げられてしまう。また、 住宅プロデュース会社の摩耶(高島礼子)が、信介の設計した建築途中の物件をお客に案内したところ、ここでも信介の気むずかしさと人当たりの悪さのせいで、商談は不成立…。そんな信介に、摩耶と英治は呆れかえる反面、彼の手がける家造りは温かみがありその腕をとても高く買っているのだ。
ある夜、隣の部屋からいちゃついたカップルの声が聞こえ、イラついた信介は、クラッシック曲のボリュームを大きくして抵抗を試みるが、その直後に腹痛が襲う。そのまま信介は、隣りの部屋の住人 田村みちる(国仲涼子)によって救急車で病院に運ばれた。その夜の当直医は 早坂夏美(夏川結衣)で、担ぎ込まれた信介を診ようとするが、信介はかたくなに診察を拒否。結局そのまま検査入院ということで、信介は病院に一泊したのだが、翌日勝手に退院してきてしまう。
数日経った夜、信介は自宅で仕事をしていると、隣人みちるの同僚・千鶴( SHEILA)が、みちるの具合がおかしいと助けをもとに来た。仕方なく様子を見に、信介は隣りの部屋へ行くと、みちるが倒れていた。そこで今度は信介が救急車で運ばれるみちるに付き添うことに…。

なんといっても阿部寛さん演じる主人公が、独身生活を謳歌しているという感じで、一人焼肉を楽しんだり、部屋でクラシック音楽を大音量で流して、それに合わせて指揮したりしている感じが最高に面白いと思います。
時に指揮したりしている感じは共感できるなという感じがしました。
また、ライバル的な人物のSNSを見て、色々と文句を言ったりしているのもあるあるだなという感じがします。
しかし、結婚はしない、恋人はいらないと言っておきながら、本当は誰かと関わりたいという感じをコミカルに描いているのも良いと思います。
そして、 夏川結衣さん演じる夏美とお互い素直になれずに、色々なことにダメ出しをしたり、うんちくを語りすぎたりと、ぶつかってしまうのも気持ちがわかると思いました。

なんといっても注目は、主人公を演じている阿部寛さんで、結婚をしないと言い張っている偏屈男になりきっている感じが最高に面白いと思います。
あまりにも自然な感じで演じているので、本当にこういう性格なんだろうなという感じに思えてきます。
そして、色々なものにこだわりすぎてうんちくを並べ立てたりと、少し偏屈で嫌な感じもしますが、コミカルに演じているので、なんとなく人が良さそうで、憎めない感じに見えるのも良いと思います。
そして、夏美を演じている夏川結衣さんも癒し系という感じで、綺麗でとても美しいと思います。
独身の女性を強がる感じで演じているのも健気な感じで、とても良いです。
阿部寛さんと夏川結衣さんというのが最高のコンビだと思いました。

阿部寛さん演じる偏屈独身中年男性の日常を描いたドラマですが、とにかくシンプルに面白いの一言です。
決して派手なシーンや展開があるわけではないのですが、じわじわくる面白さがこのドラマにはあります。
会話劇だったり、主人公の行動やセリフの一つ一つがとても秀逸であり、日本ドラマ史に残る名作といっても過言ではないでしょう。
ジャンルでいえばラブコメディーにホームドラマのテイストを加えた感じなのですが、このように中年男が主人公のラブコメは珍しいです。
独身中年男あるあるといいますか、同世代の男性が見たら共感する場面が多々あるかもしれません。
しかし全体的にポップな雰囲気なので、女性が見ても充分に楽しめるでしょう。
劇中に登場してくるパグ犬が最高に可愛らしく、強面の主人公との対比がまた面白いのです。
このように、いつまでも主人公である桑野信介の日常生活ストーリーを見ていたい、と思わせてくれるそんな素敵で秀逸なドラマです。

やはりこのドラマの面白さは、主人公が阿部寛さんであることで間違いありません。
この最高に愛すべき偏屈男の役が最高に嵌っており、嫌味だけどどこか憎めない感じがとてもいいのです。
もし他の爽やか系の俳優さんだったら、ここまで面白くなっていなかったかもしれません。
それくらい、阿部寛さんが桑野信介のはまり役なのです。
しかし、いくら「結婚できない男」といっても、ドラマですから容姿は端麗でないと主人公としての存在が薄くなってしまいます。
阿部寛さんは高身長で顔もハンサムなので、それら辺は一応クリアしています。
それでいて、結婚できそうもない独特な影の雰囲気がマッチしており、まさしくドラマとしての「結婚できない男」の理想像が完成するのです。
彼のコメディアンとしての才能がいかんなく発揮された作品ではないでしょうか。

ドラマの空気感とあの桑野さんのオーラがたまらなく好きです。自分の人生にこだわりの持った生活を送っています。仕事が大好きで手を抜かないのも、あの桑野さんがやるとかっこよく見えます。ふとした時にカッコいい言葉を言ってくれて、心に染みる時があります。桑野さんが先生と恋に落ちるというのも、見始めた時には想像していなかった展開だったので恋バナもありながら、桑野さんのこだわった生活スタイルも見れて楽しいドラマでした。個人的にはオーケストラの音楽を聴きながら牛乳を飲んでるシーンとっても好きでした。ステーキのお肉を切る姿など、真剣に何かをやってる時の桑野さんの顔が何とも言えない表情で、私が毎回楽しみにしていた見るポイントでした。

あの桑野さんをパーフェクトに演じてくれるのは阿部さんだなと思いました。ぴったりの役です。鼻笑いする時の表情が絶妙だったし、あの空気感を出せるのは阿部さんの魅力だと思いました。何か言いたそうに立ってる時の顔とか好きでした。それを突っ込まれる姿とか、怒られてる時の面白くなさそうな表情などいつも笑っちゃうほどいい感じに演じててキャラクター通りに出来るなんて凄いなと思いながら見ていました。あの桑野さんが最後に自分と先生が将来住む家をイメージして家族の為に家を作ることに集中してる所は本当に素敵でした。何枚も何枚も書いてはやり直して、理想の家を一緒に作っていきたいっていうのに温かさを感じました。桑野さんが言うから素敵に聞こえたのかもしれません。